えみこ日記

ユーザーズ・ポイント・オブ・ビュー(利用者の視点)

2006.06.08 Thursday

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     かつて日本一と言われた秋田県鷹巣町の高齢者福祉が、逆風に見舞われている。きっかけは3期12年務めた元鷹巣町の町長の岩川徹氏が、03年の町長選挙で、合併推進派の岸部陞氏に敗れた為です。

     たいていの人は「政治」なんて遠い世界の話、と感じているかもしれません。しかし、衣食住はじめすべての生活が、本当は政治の動きと密接に結びついています。鷹巣の福祉の後退は、そのことを如実に語っています。
     政治が遠く感じられるのは、政治家側の責任もありますが、きついことを言うようですが、「何でもおまかせ」という有権者側の責任もあるのではないでしょうか。

     人口わずか2万人強の秋田県鷹巣町は、今では珍しくありませんが、日本で初めて「個室&ユニット型」の老健施設『ケアタウンたかのす』を建てた町です。
     1991年に誕生した岩川徹町長は、就任直後に、地域住民の声を聞いて回った際、住民から一番要望の多かった「老後の不安の解消」を解決しようと決心しました。翌年、すぐにデンマークを視察し、そこで重度の要介護者も手厚い介護システムによって、当たり前に自宅で暮らしている様子を目の当たりにして、カルチャーショックを受けました。帰国後ホームヘルパーを増員し、日本で初の24時間の訪問介護を取り入れました。

     当時の鷹巣町の様子は、羽田澄子監督の『住民が選択した町の福祉』、『問題はこれからです』の鷹巣町をテーマとした2つの映画が、八潮市でも実行委員会形式で上映されたこともあり、多くの方の記憶に新しいと思います。 
     岩川町長のすごいところは、ご自身も何度もデンマークに視察に行っているだけでなく、町の職員や民生委員、町民も一緒に参加させ、トップクラスの施設や在宅介護の実情をじかに見せたり、体験を重ねさせていることです。そしてこれが、ワーキンググループという町独自の住民参加運動へとつながるのです。わずか2万人強の小さな町で、50人以上の住民が、様々な高齢者ケアについて、提言し、時には実行者になるワーキンググループの存在は、私にはとても羨ましく感じました。

     鷹巣の福祉のシンボルともいえる『ケアタウンたかのす』は、ハードばかりではなく、介護の現場のソフトも利用者の立場に立った柔軟な仕組みが導入され、職員が動きやすいような取り決めではなく、おむつ交換から起床、食事時間など利用者に合わせるといった、入居者の要望にあわせて職員が動くようになっている。当時の施設運営では珍しいことでした。職員数も、国基準の3対1から、できるだけ1対1に近づけようと、2対1は切っていて、確か1.5人に1人という配置でした。

     私は数年前の小雪の降る中、縁があって『ケアタウンたかのす』を訪れたことがありますが、施設に一歩足を踏み入れたとたん、誰でも「自分が要介護状態になったら、こんな施設で暮したい」と思うに違いないと実感しました。
     これほど進んだケアを行っていた町が、03年に行われた「町長選挙」をきっかけに一変します。「病院長」が新しい町長となりました。病院を経営している人だから、さぞかし医療や福祉に対して進んだ考えをもっているだろう、と思いきや、ところがとんでもないのです。

     新町長は、「福祉で全国一にならなくてもいい。身の丈にあった福祉で十分」とこれまでの町の方針を頭から否定し、元気な老人のためのミニデイサービス廃止、町のなかにあったグループホームも閉鎖。町は広域合併で「北秋田市」となるのですが、全国に先がけて「虐待防止」を宣言した「安心条例」も、05年9月の議会で廃止されてしまいます。、「条例があると、介護者の負担になる」というのが、その廃止の理由です。「高齢者虐待防止法」が成立し、国をあげてお年寄りへの虐待をやめましょうと呼びかける時代に「逆行」する決定をしたのです。

     さらには「ケアタウンたかのす」が、町からの予算を削られて、現場のリーダーだった有能な人材が次々と退職へ追い込まれました。

     こうして岩川前町長やワーキンググループの人々が、十数年の歳月をかけて築いてきた福祉、ケアの財産が消えてしまいました。建物でも、ケアのしくみでも、築きあげるには長い時間と、大勢の努力が必要で、簡単ではありません。しかし、壊すのは一瞬でできてしまいます。いったん壊せば、再生するのは至難の業です。

     政治の世界は、ある意味で壊したり、つくったりのくり返しで成り立っています。重要なのは「誰のために、何を目的として」それを行うかです。
    言い換えれば、故外山義さんが言ったように『ユーザーズ・ポイント・オブ・ビュー』が本当に生かされているかではないでしょうか?このことは、単に福祉だけでなく教育や他の多くの施策にも共通することだと思いますが・・・

     岩川さんの筋の通った崇高な考えに共鳴し、協力者となったジャーナリストの大熊一夫さん、元厚生省職員でケアタウンたかのす専務理事の飯田勤さん、やはりジャーナリストの大熊由紀子さん、映画監督の羽田澄子さん、もと京大大学院教授の故外山義さんと岩川徹元町長の5人が編者となった「こんなまちなら老後は安心!」を読んで、改めて政治に関るひとりとして、責任を痛感しました。
     鷹巣町の出来事は、この町だけの話ではなく、どんなリーダー(首長)や議員を選ぶかによって、私たちのまち、ひいては日本全体の運命にも重なってくるのだと・・・ 
     大熊一夫さんは本の前書きで次のように述べています。
    『時計の針を12年前に逆戻りさせてしまった諸々の要因が頭をよぎります。しかし、打ち沈んでいる時期は終わりました。未来への新しい道筋を描く時来たれり、です。その第1のステップとして、僕たちはこの本を作りました。人口約2万の鷹巣町は近隣3町と合併して人口約4万の北秋田市に生まれ変わりました。となれば、酒どころ秋田にふさわしく、真新しい器には新しく仕込んだ極上の美酒を・・・といきたいものです。』と。

     羽田澄子監督の『鷹巣町のその後』の上映会を計画しています。極上の美酒のヒントをみんなで一緒に考えましょう。

    一般質問の日程が決まりました

    2006.06.08 Thursday

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      strong>第2回定例議会の一般質問の日程が決まりました。
       質問通告者は18名です。質問の順番は、以下の通りです。

       6月15日(木)森下議員、池谷議員、広沢議員、服部議員、豊田議員、吉田議員

       6月16日(金)朝田議員、矢澤、柳澤議員、鹿野議員、郡司議員、大久保議員
               
       6月19日(月)森議員、宇田川議員、小倉議員、近藤議員、戸川議員、大山議員

       八條中学校での小中一貫教育モデル事業関連の質問は、今回は私を含めて5人(矢澤、鹿野、大久保、森、宇田川)の議員が質問を通告しています。 時間に余裕のある方は、是非傍聴に来てください!!
       午前10:00から始まります。

      15分の昼寝タイムを導入したら・・・

      2006.06.08 Thursday

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         不眠症など労働者の睡眠の問題がもたらす生産性の低下、交通事故などが日本経済に及ぼす損失は年間約3兆5000億円――。
         こんな試算を日本大医学部の内山真教授(精神医学)がまとめ、7日公表した。 (読売新聞) - 6月7日

         居眠り=怠け者と思われる日本では、誰しも日中の眠気に関しては、苦労していることでしょう。でも、日中に起こる眠気は、生体リズムに伴う、少なからず誰にでも起こりうるノーマルな現象で、朝型の人では午後1〜2時、夜型の人では午後3〜4時くらいにもっとも眠くなりやすいといわれています。(国立精神神経センター・精神保健研究所 医学博士 白川修一郎先生の話)

         私も昼食後眠くなる性質なので、車を運転してて眠くなると、邪魔にならないところに車を停めて15分くらい仮眠をとります。でも議会中は大変困ります。これから質問を控えている場合は緊張しているので、眠くはないのですが、既に質問を終えていたりすると、睡魔に襲われます。足をつねったり、顔をたたいたり悪戦苦闘しています。これは私だけの話でなく、議場にいる大方の議員や執行部の人たちも経験済みの話ではないでしょうか。

         議員の方は、傍聴席を背にしているので、大きく舟をこいだり、「いびき」でもかかない限り目立ちませんが、執行部の場合は相対しているので、「いかに眠っていないように見せるか」がコツです。過去には、何か考えているように目をつぶったまま身動ぎもせず眠るという、驚くべき技も体得していた職員もいました。

         先日新聞を整理していたら、福岡県立明善高校では、毎日12時50分になると「ただいまより、15分のエネルギー充電の為の午睡(昼寝)タイムに入ります」という放送と共に、教室の明かりを消し、ブラインドを下げ、薄暗くした教室で、生徒達は机にうつぶせになって目を閉じるそうです。
         この制度を導入後、生徒の半数以上が「午後、頭がスッキリ」と答え、中でも週3回以上の昼寝をした生徒の9割が「授業中集中できている」と答え、効用を認め、採用する学校も徐々に増えているそうです。

         前掲の白川教授によれば、「ある調査で、高齢者に30分の昼寝を習慣にすれば、アルツハイマー型痴呆の発症リスクが、5分の1に減るという報告もある。」ということです。

         イタリアやスペイン等南欧の国では昼食後睡眠を取る習慣(シエスタ)もあることですし、日本でも昼食後15分のエネルギー充電タイムを導入したら、授業の集中力も高まり、介護保険の費用の削減、議会も活発になるなど波及効果は大きいのではないかと思いますが・・・