えみこ日記

開かれた議会や議会改革から益々遠ざかる八潮市議会

2019.08.10 Saturday

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    昨日の代表者会議で驚くべき提案が行われた。

    八潮市議会では、会派制をとっている為、議会の運営を決定する議会運営委員会や会派代表者会議では正式メンバーになれず、ただ傍聴するだけです。現在八潮市議会の議員数は21名。正式会派は3つ(平成クラブ、公明党、共産党)で、4つの一人会派があります。

    会派とはそもそもなにか?
    参議院のHPにはこう書いてある。「会派とは議院内で活動を共にしようとする議員のグループで、2人以上の議員で結成することができます。会派は、同じ政党に所属する議員で構成されるのが普通ですが、政党に所属していない議員同士で会派を組んだり、複数の政党で一つの会派を構成したりすることもあります。委員会の委員・理事、質疑時間の割当てなどは、会派の所属議員数に比例して会派ごとに割り当てられます。」

    しかし、これは国政レベルの話ですが、二元代表制の地方議会にも同じように会派が存在し、議会の運営やその他に大きな影響を及ぼすから、厄介な話です。

    私たち議員は、4年に一度の選挙で選ばれるわけですが、当選後は、地方議会の大きな役割である行政のチェックや政策提言などが仕事で、それらの仕事をきちんと果たすためには、基本的には議員は平等の権利を持っていなければなりません。

    ところで、八潮市議会は今年3月に全会一致で、八潮市議会基本条例を可決し、施行しました。この条例には、全国初の「多様性の尊重」条項が入り、多様性の時代を先取りしたものと注目されました。

    そこで、現在、議運や代表者会議に正式メンバーとして出席できない状況を、改善して欲しいと思い、4つの一人会派の連名で、以下のような要望書を提出しました。

                               令和元年8月2日
    市議会議長 朝田和宏 様
    各会派代表者     様 
    議会運営委員会委員長小倉順子 様
    編集委員会委員長 金子 壮一 様
    公共施設整備等調査特別委員会委員長 篠原 亮太 様

                       市民と市政をつなぐ会 矢澤江美子
                       声は力の会 福野未知留
                       八潮維新の会 川井 貴志 
                       令和の会   大泉 芳行              

                   協議のお願い
    日頃、八潮市議会の改革や運営等にご尽力いただき感謝申し上げます。
    さて、八潮市議会は、去る3月議会最終日に全会派一致で八潮市議会基本条例(以下、基本条例という)を可決し、施行しました。
    この条例には、第9条に「多様性の尊重」という全国初の画期的条項が入っており、注目を集めています。
    この「多様性条項」は、妊娠、出産の可能性がある女性にとって有用であることはもちろん、LGBT、マイノリティ、障がいなどのいろいろな市民が議員として働く際に、議会での(少数派議員への)差別をなくす根拠となる条文としても有効なものと、識者からも大変高く評価されています。
    ところで、基本条例第2条には、(議会の責務及び活動原則)として、第1号から第4号まで規定していますが、特に 第2号「市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めること」とあります。
    現在、八潮市議会では正式会派は3会派、一人会派は4つになり、一人会派は、議会運営委員会や代表者会議等は、基本的に発言権のないオブザーバーという立場での出席です。特に、議会運営委員会は、全議員に適用される議会運営について決定する場にもかかわらず、4つの一人会派の意見は全く反映されません。これは、多様な意見が的確に把握されている状態とはいえず、改善する必要があると考えます。
    議会によっては、正式会派が2人で構成されることから、一人会派2つに1人を委員として選出し、幅広い意見の把握に努めています。  
    また、一人会派も正式会派と認めて議会運営委員会や代表者会議等にも正式な委員としている議会もあります。
    八潮市議会は、これまで議会報編集委員会には、各議員の多様な意見を反映させるため、一人会派も正式メンバーとして認めています。
    そこで、委員会条例や会議規則等を見直し、幅広い意見集約のために、議会運営委員会や代表者会議等へ一人会派も発言権のある委員として参加できるように協議をしていただきたくお願い申し上げます。
    議会基本条例第19条には、「この条例は、議会に関する基本的な事項を定める条例であり、 議会に関する他の条例その他の規程を制定し、又は改廃する場合にあっては、この条例との整合性を図るものとする。」とあります。全会派一致で可決した議会基本条例の「多様性の尊重」の趣旨に沿うような改正を重ねてお願いいたします。
                                          以上


    昨日は、前々から代表者会議が開催されることは連絡があり、内容について議会事務局について問い合わせをしていました。事務局は、「会議規則等の運用と条例・規則等の整合性が取れていないものがあるため、軽微な変更を行う予定」と言っていましたが、実際は軽微な変更どころか、今までやっていたことを大きく変える
    もので、ビックリしました。あとで分かったことですが、事前に各会派には内容を知らせるペーパーが配布されており、それに基づいて各会派が意見の調整をしていました。私たち一人会派には、その内容を知らせるペーパーが委員会室の机に当日置かれていただけです。

    事務局は、明らかに会派と一人会派を差別しています。本来事務局は、すべての議員を平等に扱うべきではないでしょうか?私は一人会派が長いけれど、以前の局長も事務局員もこんな風ではなかった。

    そして提案された内容は、今まで一人会派も議会報編集委員会に出させていたものを、正式会派のみと変更する案でした。つまり、議会報編集委員会からも一人会派を締め出すことです。

    議会報は一般質問なども掲載するため、できるだけ多くの目でチェックすることが間違いを防ぐことにつながります。今まで、一人会派も参加させてきたのに、なぜ今変更する必要があるのでしょうか?多様性の尊重という条項を持った議会の最高規範である条例成立後というのに・・・

    これにはさすがに傍聴していた一人会派4名も唖然としました。平成クラブ、公明党はこの案に賛成、共産党は反対意見を述べていました。こんな改悪案は到底受け入れられない為、一人会派3名(私と福野議員、大泉議員)が手を挙げて、再考を促すように意見を述べました。

    結局、朝田議長は、代表者会議で決定するのはまずいと判断したのか、全員協議会を開いてそこで協議する案を提案し、了承されて決定は先延ばしとなりました。

    これは明らかに大会派によるいじめと同じです。簡単なたとえで言えば、21名の子どもが何か決める時、同じ考えを持った友達がいない4人の子を、仲間外れにして、決める場から追放し、意見も言わせないように決めることと同じです。

    しかし、私たち一人会派の議員は、市民から負託を受けて当選しているのですから、各一人会派の背後には多くの市民の存在があるのです。それを無視していいわけはないでしょう。

    市民の皆様はどうお考えでしょうか?

    結論を出す場が全員協議会に移されても、結果は大きく変わるとは思えませんが、いずれにしてもこういうことを平気で行おうとする八潮市議会、こんな議会で良いのでしょうか?