えみこ日記

あまりにも無責任な国のやり方に怒り!(マイナンバーカード旧姓併記補助金)

2017.12.07 Thursday

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    12月議会に提案されている「平成29年度補正予算(第4号)」の中に、マイナンバーカード旧姓併記に伴うシステム整備委託料359万円が計上されています。

    他の自治体では9月補正で提案されたところが多いが、八潮市は9月に市議会議員選挙が行われたため、9月議会は前倒しで8月に開催されたので、12月になっています。

    今は、女性も結婚後も働き続けるというのは、当たり前となっています。ただ、今の日本では、結婚により姓を変えるのは圧倒的に女性の割合が多く(平成28年度調査では96%が夫の姓)、婚姻後、旧姓で仕事する人にとっては、支障が多いとされてきました。

    そこで、政府は、2016年8月2日に閣議決定した「誰もが活躍できる一億総活躍社会を創るため」に、「希望出生率1.8」の実現に向け、「女性活躍」を中核と位置付け取り組むこととし、そのため、女性の一人ひとりが自らの希望に応じて活躍できる社会づくりが重要であるとして、希望する者に係るマイナンバーカード等への旧姓の併記等を可能とする」ことにしたと言われています。

    そして、マイナンバーカード等への旧姓の併記等を可能とするよう、関係法令の改正を行うとともにシステム改修等を行うことになり、国は、昨年度の予算に約100億円を確保していました。

    100億円ですよ。ちなみに、100億円あれば、認可保育所がいくつできるでしょうか。ふるさと納税で、13億9000万円の減収となった杉並区は、13億9000万円あれば、認可保育園3〜4か所整備できるとしています。

    なぜこんなにかかるかというと、マイナンバーカード等への旧姓併記のために全国システムと市町村のシステムの改修が必要になるからです。

    全国システムでは、マイナンバーカードに旧姓を併記するためにカード管理システムの改修や住民基本台帳ネットワークシステムの改修、公的個人認証システムの改修が必要になります。

    さらに、全国1,741の市区町村の既存住基システムの改修も必要となります。もちろん、福島第一原発の影響で住民が避難している福島県の一部を除いて、日本で一番人口少ない青ヶ島村(168人)のシステムも改修されます。

    その上、これらのシステム改修の後、うまく連携できるかどうか、各システム内及び各システム間でのテストも必要となります。だから、高額になるわけです。しかも、最終的にいくらかかるか、政府は公にしていません。

    さて、本題に戻りますが、八潮市の補正予算では、歳入額359万円と同額の金額がシステム整備費として計上されています。しかも、議案の説明文では、10分の10の補助となっています。これだけ見ると、359万円ですべてシステム改修ができると理解してしまいますが(私も最初はそう思ってしまいました)、ところが、実は、この金額ではすべての整備ができません。

    というのは、9月に提案された自治体の予算を見ていて、あまりの金額の違い(八潮の方が安すぎ)にビックリして、調べると、同じ人口規模の兵庫県高砂市では歳入は八潮と同じ359万円ですが、歳出には1,600万円計上していました。

    人口7万人規模の千葉県旭市でも1,514万5千円、人口2万人弱の鳥取県大山町でも903万5千円でした。それで、さらにびっくりして多くの自治体を調べれば調べるほど疑問がわき、担当課に聞いてみました。

    案の定、今回の歳出額ではすべてのシステム改修ができずに、残りは、29年度の補正予算に追加されるかもしれない補助金にかすかな望みを抱いて、30年度に持ち越すとのことでした。

    ただ、追加補助が来るか来ないか、非常に微妙で、来ない可能性もかなり大だそうです。来ない場合は、市の一般財源から持ち出しとなります。

    8月14日に国から示された補助金は、8段階の人口規模に応じて定額となっていて、八潮市は5万人以上10万人の区分に入るため359万円です。

    今の段階ではまだ法令が改正されておらず、いつから旧姓併記が可能になるのかわかりませんが、国は「30年以降早い時期に…」と、言っています。某市の議会ではしきりに30年4月1日との答弁が執行部からあったそうです。

    仮に4月1日から実施となれば、その前にシステム改修を済ませ、自治体間のテストも終了しておかなければなりません。果たして間に合うのかな〜と気になります。

    今回、国が実際にかかる金額をきちんと自治体に補助せずに、進めるやり方には大いに問題がありますが、ただ、自治体としても、おおよそ全体の金額を示さずに、議会に提案するやり方には問題があります。

    これでは議会としてもチェックできないと、その点については指摘をしたところ、担当課も問題があったと認識しているそうです。

    それにしてもこの事業、全国1,741の市区町村のシステム整備費だけでも、恐らく100億円の4〜5倍位はかかるのではないでしょうか。

    IT業界にとっては、まさに特需、これは「女性活躍」の名に借りた一種の公共事業ではないか…と、勘繰りたくなります。

    さらに言えば、マイナンバーカードが思うように普及しないため、これでは失敗に終わった住基ネットの二の舞いになると、あれこれ付加価値を付けて何とかカードを普及させたい国の思惑も透けてみえます。

    私としては、マイナンバーカードに旧姓併記が可能になっても、それだけでは女性の活躍に資するとも思えませんが、本当に「女性活躍」のことを思うのなら、なぜ、マイナンバーシステムを構築する前に検討しなかったのでしょうか。

    このような国の思い付きのような施策・事業は、税金の無駄使いであり、今回のように自治体も職員も振り回されることになります。

    そう考えると、国の無責任さに怒りがこみ上げてくると同時に、やらされ感でやらなきゃならない職員が本当に気の毒に思えてきます。

    11日には総括質疑で、この件について質疑する予定です。