えみこ日記

監視カメラの効果?

2017.08.08 Tuesday

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     昨日の一般質問で、犯罪抑止のために監視カメラ(防犯カメラ)の増設を求める質問が出ていた。そして、今日も同趣旨の質問がありました。

     監視カメラの設置は、本当に犯罪抑止になるのでしょうか。確かに、設置した場所では効果があると言われるが、それは単に犯罪の場所を移動しただけで、根本的な解決にはならないと言われています。

     例えば、コンビニに監視カメラを設置すれば、その店の万引きなどの犯罪は減るが、別の監視カメラを設置していないコンビニでは却って万引きが増えるそうです。

    イギリスは、世界の中でも最も防犯カメラが設置されている国であり、約250万台の防犯カメラが街頭に設置され、市民1人につき、1日に300回以上防犯カメラに撮影されるそうです。

     そのイギリスにおいても、内務省の調査によれば、防犯カメラはほとんど効果がなく、むしろ街灯を設置することの方が効果があるという結果が出ているそうです。

     かつて、イギリスのロンドンで発生した地下鉄爆破事件の際にも、防犯カメラが多数設置されており、犯人を特定する犯罪捜査には役立ったが、犯罪抑止効果はないことが示された。
     
     追手門学院大学の松野凱典教授(犯罪心理学)によれば、「防犯カメラが犯罪抑止に有効なのは、空き巣の常習犯など計画性のあるタイプの犯罪者に限られる。抑止効果を過信すべきではない」とのことです。

     いずれにしても、犯罪が起きるには必ず原因があり、犯罪の発生原因を分析し、その発生原因をどうやって減らしていけるかを専門家の知見を利用しつつ、社会全体で冷静に考えることが大切で、安易に監視カメラを設置すれば解決できる問題ではありません。

     むしろ、防犯カメラを設置するルールがないまま、数だけがどんどん増えている点は大きな問題です。日弁連が2012年に、設置の基準を定め、映像の目的外使用を禁止するなどの統一的なルールづくりを提言していますが、増やす前に、早急にルールを作るべきではないでしょうか。

     更に、プライバシー権というのは元々が「放置される権利」とも言われ、もちろん撮影された画像がどう使われるかも大事ですが、それ以前に、撮影されるだけで侵害されるものと言われています。つまり、「見られないこと」こそがプライバシー権において重要な意味を持つと。

     昨日の答弁では、監視カメラが設置されて以来、犯罪認知件数が減少しているとして、カメラの効果を強調していたが、実は、日本における犯罪の総量は、ずっと減っているのです。

     犯罪認知件数のピークは2002年で285万件。それが9年連続で減少し、2011年は148万件。その後も減少していますが、むしろ今増えているのは、「オレオレ詐欺」等で、これは監視カメラを設置しても減る類の犯罪ではありません。