えみこ日記

「一人暮らしで90歳!そして認知症」が、ごく普通になる時代

2011.01.29 Saturday

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     昨夜は、霞が関の日弁連で開かれた日弁連シンポジウム「高齢者の孤立と貧困〜『無縁社会』からの脱却をめざして〜」に参加しました。昨年、「消えた高齢者」で大きな社会問題になったせいか、会場はイッパイでした。

     基調講演の講師は、昨年9月のNHKスペシャル「消えた高齢者 無縁社会の闇」を担当したNHK社会部記者池田氏で、全国4200か所の地域包括支援センターへのアンケート調査結果(回答率80%)では、38,000人が社会との関係性が薄く孤立している可能性が高いとの報告があった。しかし、氏は『これは氷山の一角』ではないかとも・・・

     介護保険サービスや生活保護を受給している場合には、役所や事業者との関わりがあるので把握できるし、自分から地域包括支援センターに何らかの相談やSOSを訴えれば、状態の把握はできるが、問題はそこに来ない高齢者で、おそらくその方が圧倒的に多いのではないかということです。
     
     本来、地域包括支援センターが担当区域の高齢者の実態を把握する為に作られてはいるが、大田区の地域包括支援センターを例にとれば、1カ月10,000件の相談があり、20カ所の地域包括支援センターで対応しているが、1カ所500件/月、これを5人の職員で対応するだけでイッパイ。
    しかも10,000件と言っても実際は、相談内容も1人が複数あるので、実際には15,000件位の相談量となり、とても実態調査までできないのが実状だそうだ。

     つまり地域包括支援センターという仕組みは整えたが、現実には機能していないというのが実際で、これは全国的に同じ傾向ではないか・・・と指摘していました。しかも、大田区の場合、1地域包括支援センターには5人の職員がいるというが、八潮市の場合は3人で対応しているのだから、もっと不可能。

     ではなぜ、高齢者が孤立するのか。前述のアンケート調査から見えてくるのは、「他人の世話になりたくない。人に迷惑をかけたくない」という日本人の気質(?)が筆頭で、以下、サービス受給の費用負担が重荷、認知症などでよくわからない、などが続き、中には「家族の拒否」等も報告されているそうです。

     介護保険制度が始まってから、すべて制度に任せてしまい、措置制度のもとで、市町村が担っていた役割を放棄しているのではないか?また、家族観も大きく変わり、10年ほど前まではなんだかんだ言いながらも、家族の誰かが最終的に面倒を見る傾向にあったが、今はそれさえも期待できなくなりつつある・・・例えば救急車で運ばれた人の身元引受人等を探して、ようやく探し当てても「もう関係ないから・・・」と言って引き取りを拒否するケースが増えているそうです。

     公的援助拒否する人と救急搬送される人とには、高齢者の転倒を除いて、アルコール、栄養失調、脱水、生活悪化等の共通の要因があるとのこと。
     特に、興味深かったのは、高層のマンション等に住んでいる高齢者の場合、ビル風で入口のドアを開けるのにかなりの力がいるので、段々外出するのがおっくうになり、配偶者の死をきっかけに閉じこもり孤立化していくケースもかなりあるとのことです。取材した中で、高層のマンションで住んでいた老夫婦が認知症になり、ごみ屋敷に変っていて、生ごみにはウジ虫がわいていたというケースもあったそうです。

     大田区の地域包括支援センターの澤登氏は「都市部の高齢者は意識的に自分から求めていかないと孤立化してしまう。ギリギリ、どうにもならない状態になって初めて公的支援につながるケースが多く、そうなるとまず対処方法に奔走しなければならない。適切な時期に専門家につながれば、もっと生活の質を上げることができるのですが・・・」と残念そうに言っていた。

     問題提起は沢山出ていたが、残念ながら解決方法は短い時間内には出なかったが、大田区では、地域包括支援センターや病院、在宅サービス事業者、企業、施設、新聞販売所等が垣根を越えて一緒になって「おおた高齢者見守りネットワーク」を作り活動しています。高齢者の居場所づくり、みま〜もレストラン(月1回会食)、セミナー(認知症サポーター養成、地域づくりセミナー)等をやって高齢者の孤立を防ぐ活動をやっています。

     一番感心したのは、「SOSみま〜もキーホルダー登録システム」で、地域によって異なるが概ね70歳以上の高齢者を対象に、登録すれば、「担当サポートさわやか」の連絡先が記入されたキーホルダーがもらえ、常に身に付けていれば、仮に外出先で倒れ救急搬送された場合でも身元が確認ができるというものです。現在登録者数は2400名というから、すごいです。

    「おおた高齢者見守りネットワーク」は20年1月に、4つの地域包括支援センター職員や事業所、企業の職員計15名で始まったそうで、発足当時は行政もあまり好意的ではなかった(?)そうですが、今年度は大田区の助成事業として認知され、後援団体、協賛団体も沢山出来て、地域の高齢者の孤立化防止に大きく貢献しています。

     八潮市でも確か「八潮市高齢者支援ネットワーク協議会」などを作っているはずですが、その活動は全く市民に見えてこないですね。
     


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